以下は、留学生が書いた文章である。
ポケットティッシュ
ノヴァーク ヤン
今日も新宿駅前でティッシュをもらった。小さな袋の中に10枚ほどのティッシュが入っていて、ポケットなどに入れて持ち歩けるポケットティッシュだ。
新宿や渋谷などの大きな駅を出て少し歩くと、ポケットティッシュを配っている人にあちこちで( 50 )。彼らが配るのは、ティッシュでもあり広告でもある。受け取るティッシュの袋には、旅行会社の名前が印刷されていたり、美容院や居酒屋の広告の紙が入っていたりする。最初は無料で配っているとは知らなかったので、渡されたときは驚いた。
ティッシュペーパーが日本で使われるようになったのは、1950年代。その十数年後、( 51 )が広告宣伝用に配るためのポケットティッシュを開発した。そして、1970年ごろにそれを道で配り始めた会社があり、それ以来、ポケットティッシュを道で配ることが定着していったらしい。
確かに、ポケットティッシュは優れた宣伝グッズだ。まず、道で直接配るから、歩いている人の性別・年齢を問わず、渡すことができる。個人情報を集めなくても、宣伝したい相手に宣伝できる効果的な( 52 )。また、ティッシュなら実用的で、ちらしだけよりも受け取ってもらいやすいし、使うたびに広告を見てもらえるという利点もある。
( 53 )、私はポケットティッシュの広告を見て行動を起こしたことはない。もちろん広告には全く興味がないが、無料だからついもらってしまい、たまっていく一方だ。だから、帰国したら友達に配りたい。日本文化の一つとして( 54 )。
以下は、辞書の編集にかかわったことのある人が書いた文章である。
最新の意味が、辞書に載っていない、とはよく言われることである。保守的(注1)すぎる、と。辞書は、その点、小回り(注2)がきかない。けれども、最新の意味を辞書に載せたとたん、その意味が消えてしまったらどうだろう。その辞書は、もう使われもしない古い意味を載せていることになる。だから、辞書の編者は、新しい意味が、日本語の中に、きちんと定着するかどうかを見極め(注3)ている。保守的というより、慎重だと言ってほしい。
(小野正弘『オノマトペがあるから日本語は楽しい—擬音語・擬態語の豊かな世界』による)
(注1)保守的:新しいものを受け入れず、古いものを守ろうとすること
(注2)小回りがきく:状況にすぐに対応できる
(注3)見極める:ここでは、十分に観察し、確かめる
以下は、ある会社で回覧された文書である。
2013年7月29日
各位
総務課
ごみ分別に関するお願い
皆さまのご協力のおかげで、ごみの分別状況は改善されてきましたが、リサイクル可能な紙類の多くが、いまだに「燃えるごみ」のボックスに捨てられています。
例えば、新聞、雑誌だけでなく、菓子箱、紙袋などもリサイクルが可能です。これらは必ず「リサイクル」のボックスに入れてください。
詳しい分別方法は、ボックスの上に掲示しておきますので、捨てる前に再度ご確認ください。分別の徹底をお願いいたします。
以上
以下は、ある庭園の案内である。
多田庭園
多田庭園は、地元有力者多田家の別荘の庭を保存したもので、一般に公開されています。庭の一角には1800年代初めまで使用されていた伝統的な建物も残されています。
庭の中心には池があり、滝が約3メートルの高さから流れ落ちています。夏は滝の音が涼しげで、暑さを忘れさせてくれます。秋の夜にはライトアップが行われ、紅葉と滝が光の中に浮かんで見えて見事です。そのため、この時期には多くの観光客が訪れます。
以下は、保護者に向けて書かれた文章である。
最初に知っておきたいのは、保護者が嫌いなものは、子どもも好きになれないということです。普段から「まずい、嫌い」と聞かされているものを美味しいと思えないのは当然です。また、嫌がるものを無理に食べさせても、嫌な思い出が残るばかりで、良い結果は出ません。
それに対して、最初は苦手だった食べ物でも、周囲の大人たちが「美味しいね」と笑顔で食べている姿を見て興味が湧き、食べられるようになることがあります。つまり、偏食をなくすには「親子で一緒に楽しみながら」がコツなのです。
(『ミルククラブ』93号による)
学歴があっても学力がない人は教えた仕事だけは本当にきちんとやります。しかし、自分で考えることに積極的ではないので進歩が遅い。一方、体力があっても根性がない人はあきらめが早い。それはいまの仕事で自分に何が求められているかを突き詰めて(注)考えていないから、やる気が湧いてこないのです。
つまり、この2タイプは自分の仕事に対して無関心なのです。少なくとも上司の目にはそう映ります。
(長谷川和廣『社長のノート』による)
(注)突き詰めて:ここでは、徹底的に
①面接の準備をする作業は自分自身を見つめ直すいいきっかけになると私は思います。自分って要するになんだろう?何が人と違って、どこが優れているんだろう?普段は自分自身のことをそこまで考えないでしょうが、面接に臨む(注1)ためには、自分で自分を的確に語れるようになっていなくてはダメです。それも短的確な言葉に絞り込まなければなりません。
新聞記事をよく見て下さい。太い大見出しというのは10文字以下です。あれがニュースです。世界中に起きていること、国会で起きていること、大きな事件、それらをたった10文字以下で表現しているのです。
一日の国会でどれだけたくさんの論戦が闘わされていることでしょう。その事実だけを列挙(注2)しても新聞にはなりません。すべてを書かれても、読み手はそのすべてを受け取ることもできません。そこで記者が膨大な事実の中からニュースと判断されるものを探し出し、たった一言でまとめてしまう、それがニュースであり、大見出しなのです。
(中略)
面接で自分を語るということは②自分自身を見出しにするということです。自分の人生という長く膨大な時の流れと経験の数々、その都度(注3)、心に去来した(注4)ありとあらゆる(注5)思い、それをたったヒトコト(注6)で表現するのです。
ヒトコトなんかじゃ語れないことは分かっています。でも、ヒトコトで語らなければならないのです。面接試験とはそういうものなのです。
(黒岩祐治『メッセージ力を高める 黒岩の法則』による)
(注1)面接に臨む:面接を受ける (注2)列挙する:並べる
(注3)その都度:そのたびに (注4)心に去来する:ここでは、心に浮かぶ
(注5)ありとあらゆる:すべての (注6)ヒトコト:普通「一言」と書く
美術館に皆展示(注1)してあるものに正解は一つもない。その作品をどう観るかはまったくの自由だ。
もちろん、その作品を制作したアーティストの意図は存在する。しかし、それは決してただ一つの正解ではない。作者も考えていなかったような見方や、読み方ができることが芸術作品の魅力なのだ。優れた作品は作者の意図を軽々と超えて、観客の心のなかで多様な気づきを生み出していく。多様な解釈ができることは、優れた美術作品の条件だと言ってもいい。
しかし、日本人は、この「答えがない」ことが苦手なのだ。「美術は難しい」「絵はわからない」という声をよく聞くのは、多くの日本人が美術や絵の見方に「正解」があると思っているからである。欧米ではこうした声は聞かれない。「美術は好きじゃない」「絵には興味がない」という人はいる。しかし、「わからない」ものだと思っている人はあまりいないのではないかと思う。
ただし、「絵がわからない」と当惑気味につぶやく(注2)のは大人たちだけだ。子どもはそんなことは言わない。
美術館で子どもたちは、それぞれのやり方で作品を受け止める。(中略)
面白いと思えばハマる(注3)。思わなければ忘れてしまう。子どもたちと美術の最初の出会いはそれでいいのだと思う。
(蓑豊『超〈集客力〉革命—人気美術館が知っているお客の呼び方』による)
(注1)展示する:並べて見せる (注2)気味につぶやく:困ったように小声で言う
(注3)ハマる:ここでは、夢中になる
暑い夏、外を歩くと汗が出る。汗を止めるために冷房のきいた部屋に入る。誰もがしがちな行動だが、実は私たちの体にとっては①良いことではない。
汗は汗腺によって作られるが、この汗腺は汗を作るだけではなく、汗を体外に出す働きも持っている。そして多くの汗腺が活発に働いていれば、蒸発しやすいさらさらした汗が作られ、体温調節がスムーズに行われる。汗腺は人の体には200〜500箇所ほどあるが、通常、そのうちの半分程度が働かずに休んでいる。そして、通常でも半分しか働いていないのに、冷房を多用するなどして汗を出さないでいると、さらに休む汗腺が増えていく。
働いている汗腺が100箇所あって、そこで100ccの汗を作って出すという処理をしなければならないとして考えてみよう。その時にもし冷房のきいた部屋に入り②汗腺が50箇所しか働かなくなれば、1箇所当たり1ccの処理のはずが、2倍の2ccの処理になる。そうなると、処理が間に合わず、塩分などの体内に吸収されるべき成分を含んだままの汗が体外に出てしまうことになる。このような汗はべたべたとしており、蒸発しにくく、「蒸発することで体温調節をする」という汗の役割をうまく果たせない。
休む汗腺を増やさないためには、日ごろから汗が出る時にはそのまま出すという生活をしたほうがいい。飲食物に気をつけることも有効である。汗が出ている時に冷えた物を取ると、脳が「体は冷えた」と判断し、汗を止めてしまうので注意が必要だ。
A
1969年に人類は初めて月に到達した。その後も人類の夢はとどまらず、各国は国の誇りをかけて膨大な費用を使い、先を争うように宇宙開発を進めてきた。
しかし近年、多くの国でこのような状況が問題となっている。多額の国家予算を使うにもかかわらず成果が見えにくい宇宙開発に対して、国民が疑問を感じ始めたのだ。
現在、世界には環境問題や資源問題など早急に解決しなければならない課題が数多く存在する。同じように多額の費用を使うなら、宇宙開発よりも身近で現実的な問題を解決することの方が優先されなければならない。政府は、我々の生活に直結するような問題にこそ、予算を使うべきである。
B
宇宙開発に伴い近年の科学技術が発展したと言ってもよい。宇宙開発は、特に気象観測や通信、交通システムの分野で、人間生活の向上に大きく貢献してきた。人工衛星技術の進歩により信頼性の高い気象予測が可能になるなど、身近な生活でも、私たちが多くの恩恵を受けていることは誰もが認める事実だろう。
しかし近ごろ宇宙開発に対して否定的な意見が多く聞かれるようになってきた。確かに、ばくだいな費用の割に目的も成果も不明瞭だ。
だが、宇宙開発は短期間で成果が得られるものではない。これまでの成果を生かすためにも、長期的な視野に立って研究開発を進めていくべきではないだろうか。
以下は、ある漫画家が書いた文章である。
僕はいままで数多くの漫画やアニメで未来をイメージしてきた。未来を「想像」し、そこから作品を「創造」してきた。僕にとって想像と創造はごく近しい、混じり合ったものだと言っていいだろう。
では、イメージすること、想像することについて考えてみよう。僕は想像には二種類あると考えている。可能性が希薄(注1)でも許される「空想」と、確度の高い(注2)データに基づいた「予測」だ。
空想は幻想的(注3)な意味での夢見る世界。予測はやがてこうなるだろうという現実の延長線上に浮かぶものだ。このふたつが自分の頭の中で組み合わせられ、出来上がっていくものが僕にとっての「想像」だ。
「空想」の中には途方もない(注4)こともある。子供のときに考えていたこととなんら変わりがない、突拍子もない(注5)ものも含んでいる。「夢」と言い換えてもいいだろう。しかし、夢や空想だけではどこかものたりない。そこで、現実の延長線上にある未来についての予測が必要になってくる。しかし、空想が現実からかけ離れるばかりかといえばそうではないし、予測が必ず現実を言い当てるというものでもない。どちらも、未来をイメージする=想像することのうちにあるのだ。
(中略)
僕は空想も予測も好きな少年だった。子供の頃から「想像」することが大好きだった。しかし、僕が「想像」をただの「想像」に終わらせず、作品を作るという「創造」へと結びつけてきたのはなぜだろう。僕自身はあまり意識してこなかったことだが、こうして考えてみると、やはり「何のために描くのか」という言葉が浮かびあがってくる。
「想像」するだけなら一人でしていればいい。あるいは、友人たちとのおしゃべりで十分だろう。しかし、「創造」するためには、そこに「何のために」という強い動機が必要なのだ。
僕が「想像」したことをもとに作品を「創造」することで、もしかしたら、その作品をきっかけに何かが変わるかも知れない。僕も人類の一人として、この地球がよりよい方向に進み、幸福な未来へとつながっていってほしい。
大げさなことはあまり言いたくないが、大きな目的として、「地球の未来のために」僕は作品を描いているのかも知れない。
(松本零士『未来創造—夢の発想法』による)
(注1)希薄でも:ここでは、低くても (注2)確度の高い:ここでは、確かな
(注3)幻想的:現実から離れている (注4)途方もない:とんでもない
(注5)突拍子もない:常識から外れた
名前 / 現在の留学先 / 今後の予定 / 小論文のテーマ
チャン / 日本の高校 / 日本の大学に進学 / 自国でのごみを減らす取組について
アフマド / 日本の大学 / 日本の大学院進学 / 日本のオフィスでの節電対策について
ローズ / 日本の大学 / 日本で働く / 自国の資源の再利用について
ナタリア / 日本の大学院 / 母国で働く / 日本人の夏用ビジネススーツについて
留学生小論文コンテスト
小論文募集のご案内
小森大学では、日本の大学に留学中の学生を対象とした小論文コンテストを実施します。
【テーマ】自国における地球温暖化対策
あなたの国の地球温暖化対策や、それについての意見を紹介してください。
例:国の気候に合ったビジネススタイル(勤務時間・服装など)
資源やエネルギーを節約するための取り組み、工夫、習慣
【応募資格】次の条件を両方とも満たす者
・現在、日本の大学、大学院に留学している外国人学生
・卒業後、日本で就職したいと考えている外国人学生
【募集期間】2013年11月11日(月)〜12月17日(火) *12月17日必着
【賞および賞品】
最優秀賞(1名:賞状および図書券3万円分)
優秀賞 (3名程度:賞状および図書券1万円分)
*入賞者には2014年1月中旬に郵便で通知します。
*2014年2月9日に、小森大学において賞状および賞品の授与式を行います。
【応募の決まり】
(1)小論文は、日本語で作成してください。
文字数は4,500〜5,000字で、参考文献リストは文字数に含めません。
また、小論文とは別に、400字程度の要旨を応募用紙に記入してください。
(2)小論文は、パソコンを使用して作成し、指定の応募用紙とともにイーメールに添付して応募してください。
応募用紙は、下記ホームページからダウンロードしてください。
(3)小論文は未発表のものに限ります。(他のコンテスト等に出しかものは不可)
(4)応募は1名1点とします。
<応募先・問い合わせ>
小森大学留学生センター「留学生小論文コンテスト」係
ホームページ:http://nihongo.komori.ac.jp
Eメール:nihongo_komori@komori.ac.jp
住所:〒100-1234 小森市緑木町1丁目1番
留学生小論文コンテスト
小論文募集のご案内
小森大学では、日本の大学に留学中の学生を対象とした小論文コンテストを実施します。
【テーマ】自国における地球温暖化対策
あなたの国の地球温暖化対策や、それについての意見を紹介してください。
例:国の気候に合ったビジネススタイル(勤務時間・服装など)
資源やエネルギーを節約するための取り組み、工夫、習慣
【応募資格】次の条件を両方とも満たす者
・現在、日本の大学、大学院に留学している外国人学生
・卒業後、日本で就職したいと考えている外国人学生
【募集期間】2013年11月11日(月)〜12月17日(火) *12月17日必着
【賞および賞品】
最優秀賞(1名:賞状および図書券3万円分)
優秀賞 (3名程度:賞状および図書券1万円分)
*入賞者には2014年1月中旬に郵便で通知します。
*2014年2月9日に、小森大学において賞状および賞品の授与式を行います。
【応募の決まり】
(1)小論文は、日本語で作成してください。
文字数は4,500〜5,000字で、参考文献リストは文字数に含めません。
また、小論文とは別に、400字程度の要旨を応募用紙に記入してください。
(2)小論文は、パソコンを使用して作成し、指定の応募用紙とともにイーメールに添付して応募してください。
応募用紙は、下記ホームページからダウンロードしてください。
(3)小論文は未発表のものに限ります。(他のコンテスト等に出しかものは不可)
(4)応募は1名1点とします。
<応募先・問い合わせ>
小森大学留学生センター「留学生小論文コンテスト」係
ホームページ:http://nihongo.komori.ac.jp
Eメール:nihongo_komori@komori.ac.jp
住所:〒100-1234 小森市緑木町1丁目1番